【与信管理における定量分析の基本】
 第25回:与信管理担当者のための税務基礎知識(1)

2026年4月20日

 

決算書の見方や財務分析について記載された書籍はたくさんありますが、与信管理目線に特化して、必要な知識を丁寧に解説したものは多くありません。この【与信管理における定量分析の基本】シリーズでは、与信管理の初心者が、決算書の見方やそのために必要な最低限の会計知識を含め理解できるように詳しく解説いたします。第25回は「与信管理担当者のための税務基礎知識(1)」と題して、中小企業の決算書分析になぜ税務の知識が必要なのか、その理由について説明しています。その上で、法人税の概要や、会社が支払う税金の分類と代表例など基本知識について解説します。

トーショーの公式YouTubeにて配信している【スキマ時間で!無料で!マスターできちゃう動画シリーズ『取引先の決算書 定量分析の知識』】ともリンクした内容になっておりますので、あわせてご覧いただきますと、より理解が深まります。是非ご視聴ください。

>>第63回:中小企業の決算書理解に欠かせない税金の知識(2023年11月配信)

 

<目次>

■中小企業の決算書理解に欠かせない税金の知識
■会社の税金 超基本知識
└会社が支払う税金の分類と代表例
└法人税の概要、納税の流れ

 

■中小企業の決算書理解に欠かせない税金の知識

中小企業の決算内容を理解するには、会社の税金、特に法人税の仕組みについて、ある程度理解しておくほうがよいでしょう。なぜなら、中小企業が決算書を作成する主な目的は、上場会社のそれとは異なり、税務申告のためという部分がウエイトとして大きいためです。

企業が資金調達を銀行から図ろうという場合、あるいは仕入先から大きな与信を得ようという場合には、儲かっている姿を見せたいという意識が生じます。ところが、税金というものは、儲けに対して課され、必ずキャッシュの流出を伴うものですので、中小企業が節税を意識するなら、利益は適正水準にとどめたいという意識が働くはずです。公認会計士の監査を経ない中小企業の決算書ですが、節税というインセンティブによって、粉飾を抑制する効果があるのです。

しかし、もし納税という要素から決算書が完全に切り離されたとしたら、粉飾の誘惑に歯止めがかからなくなると思いませんか。従って、中小企業の決算書の真実性を確かめるなら、税務申告書も一緒に徴求するのが理想です。そうすれば、決算書で示される会計上の利益と、税務申告書との整合性を検証することができるためです。

法人税申告書のイメージ(別表一のひな型)※ 法人税申告書のイメージ(別表一のひな型)

 

■会社の税金 超基本知識
会社が支払う税金の分類と代表例

まず、会社の費用として処理される税金があります。土地・建物にかかる固定資産税や都市計画税、設備や備品の償却資産税、それ以外にも、自動車税や印紙税、登録免許税などがあります。これらの税金は、経費として「租税公課」という勘定科目でその都度、費用となります。

あとは同じ費用となる税金でも、資産の購入に付随して取得原価に含めて処理される税金もあります。不動産取得税や、登録免許税、関税等です(※登録免許税等は、上述のと消費税おり租税公課とする場合もあります)。

また、会社が最終消費者として様々な消耗品や物品を購入すれば、当然、の負担も生じます。

最後に、これが決算書と深く関係する税金ですが、儲けに対して課される税金です。法人税、法人住民税、法人事業税の法人3税です。法人税というのは、個人で言えば所得税に相当するもので国税です。法人住民税や法人事業税は地方税です。儲けに対する課税と書きましたが、この儲けは会計上の「利益」ではなく、「所得」と呼ばれる税務上の儲けから若干の調整を経て計算された額に、税務上の税率を乗じて金額が計算されます。

 

法人税の概要、納税の流れ

法人税は、「所得(課税所得)」に対して課税される税金で、申告納税方式によって納税します。会社などの法人は、事業年度末から原則として2か月以内に確定申告書を作成して、所在地の税務署長に提出し、提出期限までに法人税額を納付する義務があります。3月末決算の会社であれば、5月末が納付期限です※。
※「申告期限の延長の特例の申請書」を税務署に提出することで1か月延長が可能です。これにより上場会社などでは株主総会後まで申告期限を延長しています。

原則、納付手続きの流れは「中間申告」→「確定申告」という形で、上半期末に6カ月分の法人税を前払いし、確定申告で最終的に精算します。中間申告は、前年度の納税額の2分の1を予定納税するか、6カ月間の仮決算に基づいて納税する方法があります。3月末決算の会社であれば、9月末を半期とし11月末が中間納付期限です。

 

■YouTubeでも詳しく解説!

本ページの内容は、トーショーの公式YouTubeにて配信している【スキマ時間で!無料で!マスターできちゃう動画シリーズ『取引先の決算書 定量分析の知識』】ともリンクした内容になっております。下記リンクのとおり、第63回が本ページの内容に沿った内容となっております。復習としてもご活用いただけますので、是非ご視聴ください。

第63回:中小企業の決算書理解に欠かせない税金の知識 サムネイル>>【スキマ時間で!無料で!マスターできちゃう動画シリーズ『取引先の決算書 定量分析の知識』】第63回:中小企業の決算書理解に欠かせない税金の知識(2023年11月配信)

 

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