与信管理は定性情報が決め手!危ない会社の兆候とは?

バブル崩壊やリーマンショックなど経済情勢が大きく悪化した時、企業の倒産動向は大幅に増加します。現在(2021年12月時点)、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、やはり経済情勢は悪化しており現在も先行き不透明な状態が続いています。それでも、一部の業界を除き大幅な倒産の増加が見られないのは、日本政府が無担保・無利息の緊急融資制度をはじめとした手厚い資金繰り支援策を講じているためです。

しかし、このような緊急回避的な政策は、当然恒久的に続くわけではありません。むしろ、コロナ禍が収束に向かい、経済が正常化に向かう局面で、そのような政策効果が薄れ、幅広い業種において倒産が増加に転じる可能性も十分考えられます。したがって、今こそ、各企業は与信管理の体制を見直す時期にあると言えます。

自社の焦付きリスクから逃れるためには、取引先倒産の予兆にいち早く気が付かなければなりません。本記事では、危ない会社の兆候にいち早く気付くための方法を解説します。ぜひ与信管理の強化にお役立てください。

 

【目次】

■焦付きリスク回避はまさに経営問題
└ 焦付きとは? 業績・資金繰りに重大なインパクト!
└ 焦付き回避の第一歩は兆候への気づき
└ どのような情報が必要か
└ 情報をいかに集めるか

■取引先の変化への気づきと状況に応じたアクションが大切

■ヒト・モノ・カネをめぐる危ない兆候をチェック

■まとめ

 

 

焦付きリスク回避はまさに経営問題

倒産リスクが高まる局面での与信管理において、各企業が最優先で取り組むべきことは自社の焦付きリスクの回避です。焦付きリスクを回避するためには、取引先企業の現状を知り、変化を察知することが大切になります。

 

焦付きとは? 業績・資金繰りに重大なインパクト!

BtoBビジネスにおいて、「商品と現金の受け渡しを同時に行う」という手法は現実的ではありません。多くの企業は、「商品やサービスを提供した後、まとめて代金を受け取る」という掛売り取引を行っています。この、事後に代金を受け取る取引形態を「与信取引」といいます。相手の会社を信用することで成り立つ取引です。与信取引では、適切な与信管理を行わなければ取引先の倒産などにより代金を回収できない事態に陥ることがあります。「焦付き」とは、この代金回収不能の事態を指します。

そして、「焦付き」の発生は、業績や資金繰りへ重大な悪影響を及ぼします。最悪は、自社も連鎖的に倒産してしまうこともあり、まさに企業存続の根幹にかかわるリスクであると言えます。

 

焦付きや与信管理の基礎については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
>>なぜ企業に与信管理は必要なのか?基本的な考え方や調査・分析方法について解説

 

焦付き回避の第一歩は兆候への気づき

多くの企業は、何の前触れもなくある日突然倒産するわけではありません。必ずそこに至るプロセスがあります。一般的には、「業績の悪化」から「財務の悪化」、そして最終的に「資金繰りの悪化」というプロセスを経て、倒産に至るのが普通です。そのプロセスの中では、様々な予兆が現れるのが普通です。
従って、取引先企業の動向を慎重にモニタリングし、変化を示す兆候情報を見逃さないことが、与信管理における最重要ポイントであると言えます。

 

どのような情報が必要か

では、そのような兆候を察知するために必要となる情報とは具体的に何でしょうか。与信管理で扱われる情報として、典型的には大きく分けて2つのタイプに分類されます。

1つは、「定量情報」です。これは端的に言えば、取引先の損益計算書や貸借対照表といった決算書のことで、一般的に定量分析と言えば決算書を分析することを指します。取引先の決算書を見ることで、会社の経営状況の基礎を把握することが可能です。おそらく、多くの人が、決算書の分析を信用調査の代表的な手法の一つと捉えているでしょう。

しかし、この方法にはいくつかのデメリットがあります。まず、そもそも決算書の入手はなかなか困難です。さまざまな方法を駆使したとしても、全取引先の決算書を手に入れることができる企業は少ないのではないでしょうか。
また、首尾よく決算書を手に入れられたとしても、残念ながらそれは過去の情報にすぎません。決算書は過去の一定期間または一時点の情報を示すものであり、リアルタイムな情報を知ることはできません。
そして、「定量情報」、すなわち決算書の最大のデメリットは、粉飾決算のリスクです。残念ながら、外部の第三者が粉飾決算を見破る絶対的な方法はありません。決算書だけを見て、粉飾決算を見抜くことは難しいこともあるでしょう。

そのため、与信管理では、定量情報以外の「定性情報」が欠かせません。「定性情報」とは、取引先に関する事象や評判といった数値では表すことができない全ての情報を指します。例えば、取引先の経営者の資質や性格、商品の競争力、社風などは数値化できない情報の代表例です。
実は、その会社の危険な兆候、いつ倒産するかなどを察知する場面というのは、決算書を眺めていてわかるというものではなく、このようなヒト・モノ・カネにまつわる定性的な情報によることが多いので、現場内外からそのような「定性情報」を収集することが重要な鍵となります。「定性情報」は、おぼろげな兆候情報を含め、企業のリアルタイムの動きをつかむうえで、欠かせません。

 

情報をいかに集めるか

定性情報」の代表的な収集ルートを二つ、ご紹介します。

一つは自社の営業担当者など、取引先から直接得る「直接情報」です。例えば、実際の取引状況から取引先の業績悪化を察知することができます。また、支払い延期の要請があれば、明らかな異変に気付くことができるわけです。また、そこまではっきりしていない、かすかな変化に気付くこともあるでしょう。例えば、「最近会社の雰囲気が暗くなった」「離職率が上がった」などです。

情報収集ルートのもう一つは、同業者、業界内で聞かれる評判や調査会社など外部から得る「間接情報」です。直接情報は信頼性が高く、最も重視すべき情報ですが、自社だけで、取引先のことを365日、24時間モニタリングすることは非現実的です。したがって、自分の会社だけでなく、外部の目、耳を活かすことが重要です。

信用不安の噂のあった会社が必ず倒産するわけではありません。同業者により意図的に流された悪評など、事実に反するものが含まれる可能性もあります。しかし、信用不安情報があった会社の倒産確率が高いのも事実です。また、逆に言えば、倒産した会社では事前に何らかの信用不安情報が流れることが多いと言えますから、このような外部の信用不安情報についても先入観で判断せず、改めて取引先の信用調査をするなど、放置しないことが極めて重要です。
信用調査会社も、このような企業の信用に関わる情報にアンテナを張っていますので、情報力のある調査会社とのコミュニケーションを密にして、うまく活用すると良いでしょう。

 

取引先の変化への気づきと状況に応じたアクションが大切

繰り返しますが、与信管理で最も重要なことは取引先に関する情報収集です。
しかし、その情報を営業担当者が胸の内に抱えているだけでは、十分な効果を発揮することはできません。営業担当者が些細な違和感に気付いた時に、すぐに情報を共有できる環境を整えておく必要があります。現場の情報を迅速に吸い上げ、いつでもすぐ動ける体制を整えておくことにより、危ない兆候をキャッチした場合に状況に応じたアクションを起こすことができます。このとき、先入観を持たずに先手を打つことが大切です。

 

ヒト・モノ・カネをめぐる危ない兆候をチェック

定性情報に対する感度の差が、焦付きリスク回避の明暗を分けると言っても過言ではありません。いち早く取引先倒産の兆候に気付くことが、自社のリスク回避につながります。
ところで、取引先のどのようなところに気をつけながら情報収集すべきでしょうか。たとえば、先に、事務所の活気の有無、従業員の定着率などを例として挙げましたが、他にもヒト・モノ・カネを巡る典型的な危ない兆候として、様々なチェック項目があります。これらチェック項目をリスト化し、標準化しておくことでどの現場からも、担当者個人の勘や観察力だけに頼らない、多面的な信用分析ができるようになるでしょう。

トーショーでは、取引先倒産の事前兆候をいち早く現場で感じ取るための『ヒト・モノ・カネをめぐる危ない会社の兆候チェックリスト』をご用意しました。お問い合わせフォームにて、お問合せ内容欄に「危ない会社の兆候チェックリスト希望」とご記入のうえ送信いただいた方に、無料でプレゼントいたします。ぜひお申込みいただき、現場における迅速な情報収集にお役立てください。

 

まとめ

本記事では、取引先企業の動向を慎重にモニタリングし、変化を示す兆候情報を見逃さないことが、与信管理における最重要ポイントであることについて説明しました。そして、倒産の事前兆候察知において、特に定性情報が重要であることと、その収集方法について解説してきました。

しかしながら、取引先の信用に関わる定性情報を網羅的に収集・分析するには、豊富な情報入手ルートをはじめ、経験やノウハウ、ある程度の専門性が必要な部分もあります。また情報を適切に蓄積・管理するには、膨大な手間や労力が必要であることも、実際に与信管理の現場の課題として存在します。

トーショーではそのような課題にお応えする、各種サービスをご用意しています。
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参考:https://www.tosho-links.com/service/links.html

 

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