今も真実は現場にTOPICS

2023年4月7日

インターネットで情報収集が当たり前…

情報通信技術の発展もあり、与信先の調査において、インターネットを活用して効率的に情報収集ができるようになりました。登記情報はもちろん、ホームページから取引先が発信するSNSに社長のブログまで、机の上からでも多くの情報を瞬時に得ることができます。審査をご担当される読者の皆様にも、ネット地図の検索で新規取引先の本社周辺の状況を画像で確認されたりする方は多いのではないでしょうか。

これらの手段は信用調査の大きな武器となりましたが、最終的には自ら現場へ赴き、リアルタイムに起きている現実を確認することが、真実に近づく一番の近道であることには変わりがありません。

 

やはり現地・現認は欠かせない

筆者は、いわゆる「夜逃げ」をした企業の後追い調査のご依頼を担当することが多いのですが、この調査はまさに現場確認こそが唯一の手段となります。後追い調査というのは、取引先が法的処理もせずに連絡難となった際に、貸倒れ処理を前提として、債権回収が不能であることを税務当局等に承認してもらうために行う調査です。

閉鎖された事務所や工場、代表者自宅の現地訪問、近隣への聞き込みなどを行います。取引先や、不動産の管理会社、ビルオーナー等へ接触して、いつ頃から代金や賃料の支払いが遅れたか、いつ頃事務所を退去したかなど、地道に情報を収集し傍証を固めていきます。こういう調査では、関連するネット情報は全て「在りし日」の過去のものとなっており、現地・現認しかありません。

 

運輸・倉庫業関係業者A社が消息を絶ち、現況調査をしたケースでは、現地調査に先立って、ネット地図の画像情報で事前に現場および周辺の状況を確認していました。しかし、そこに映っている企業の建物・倉庫は、実際に訪問するとすでに更地で跡形もなく、不動産登記の確認でも、その土地の所有権は別の会社となっていました。この際には、運よく出会った近隣の方からの話で、その業者の代表の親族が、数キロ先の地区で別の会社を立ち上げ、従業員等も従前の会社と変わらず営業しているということが判明しました。いつもこんな調子で、とんとん拍子に直接核心に迫れるとは限りませんが、行ってみたことで、新たな発見や手がかりを得られることは少なくありません。

 

倒産後の追跡調査ではなく、稼働中の企業においても、当然現地確認は欠かせません。数年前に、循環取引疑惑で話題となったB社とC社の調査においては、C社の本社を訪ねた際に郵便ポストに別の「D社」と書かれたシールが貼られていて、不正取引に連なる新たな関係先が判明したりもしました。B社もC社も、その後疑惑が明るみとなり数年前に消息を絶ちましたが、今年に入り、両者の代表者は詐欺容疑で相次ぎ逮捕されています。

 

今こそ、現地確認調査の重要性を再認識

テレワークが普及し、営業パーソンも新規取引先とはWeb会議でしか顔を合わせたことがない、なんていうことも当たり前の世の中となりました。あらゆる事が電子化で便利になった反面、取引先の変化を直に感じる機会は減っているのかもしれません。だからこそ、定期的な現地確認調査を与信管理の手順やルールとして、意識的に組み込んでおく必要があるのではないでしょうか。

 (館高)

 

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