反社チェックだけでは不十分TOPICS

2024年6月6日

コンプライアンスチェックとは

コンプライアンスチェック(以下「コンプラチェック」)という言葉は、企業のリスク管理の分野として広く浸透し、「取引先管理でコンプラチェックが課題」「上層部から対応を強く言われている」等の声を聞く機会が年々多くなってきました。

狭義のコンプラチェックはいわゆる「反社チェック」のことを指していることが多いです。2010年代以降、各都道府県で順次制定された暴力団排除条例が、暴力団関係者などの反社会的勢力への利益供与を禁止し、取引の相手方が暴力団関係者でないことの確認を求めたことを契機として、多くの企業でその確認を迫られたことがあったためです。

一方で海外取引におけるコンプラチェックは、「Know Your Customer」の略称で「KYC」と言われることが多いですが、こちらは安全保障貿易の観点から、各国の制裁リストとの照合で、該当企業との取引を避けるということが行われています。大量破壊兵器等の拡散防止や、テロ組織との取引を避けることなどが目的です。最近では、「人権リスク」も意識され、強制労働等で作られた原材料などを輸入したことが発覚すれば、社会的な批判を受けます。岸田首相も、3月の通常国会で「人権デューデリジェンスの法制化」に言及しました。

再び国内の話に戻りますが、そもそも「コンプライアンス」という言葉は日本語では「法令順守」と訳されますが、近年はそれにとどまらず、企業倫理や社会規範などを含めた広い意味で、企業の経済活動を律するものとして強く意識されつつあります。そして、このような意識は年々、日ごとに高まり、企業のコンプライアンスに逸脱した行為が発覚した場合のレピュテーションリスクも、20年前、10年前のそれよりもずっと大きくなっています。

 

>>【参考】コンプライアンスチェックを怠ると…どうなる?事例で理解する、恐ろしい企業リスク

 

コンプライアンスチェックの役割の拡大

そして、コンプライアンスの守備範囲の拡大と同時に、コンプラチェックの果たすべき範囲も広がってきていると言えます。取引先コンプラチェックに着手する人から「とりあえず、反社会的勢力であるかがわかればよいか」とのご相談を頂くこともありますが、それだけでは不十分です。

もちろん反社チェックは重要な課題ではありますが、企業防衛の観点からすれば、今の時代のコンプラチェックは、もっと広い意味で、取引先のコンプライアンスの状況を確認することが求められていると考えられます。

例えば、反社ではない取引先が「違法な取引をしている」「不適切な行為により行政処分の対象となっている」「ハラスメントの問題で訴訟沙汰になっている」なども、その取引先の信用を大きく棄損させる事象であり、そのような事実がないか確認することが必要です。コンプライアンスに問題のある先と取引をしている自社のコンプライアンス自体が強く疑われる、そのような時代になりつつあるということです。

コンプライアンス違反が企業に与える信用棄損のダメージも大きくなった分、それが発覚した企業の倒産リスクも高まっていますので、与信リスクに直結する問題でもあります。「取引先が反社でなければOK」ということではなく、改めてリスクマネジメントの本質に立ち返り、コンプラチェックを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

(IS2y3)

 

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