2025年2月26日
突然ですが、以下の漢字の読みを即座に答えられますか。
「色」から得られる情報と「文字」や「言葉」から得られる情報が矛盾することで判断が遅れるような現象のことをストループ効果と言い、脳トレ等で利用されることもあります。文字や文字の周囲に色がつく、たったそれだけのことで通常であれば考えるまでもない漢字の読みですら混乱が生じるほどに、我々の脳は視覚の影響を受けやすいようです。
以下の資料①をご覧ください。
一見すると「なるほど」と思えそうですが、次の資料②と比較するとどうでしょうか?
資料②を見ると、資料①が言うように、「売上が大幅に落ち込んだ」、「不満を抱えている顧客が多い」と結論づけるのは無理があるように思われます。
「数字は嘘をつかない」とは言いますが、数字をグラフ等によって可視化することはよく行われ、その過程で読み手が誤解するような加工をされることがあります。資料①で言えば、売上のY軸の数値範囲を絞ることで変化量を大きく見せ、満足度は「満足」の数値だけを載せることでそれ以外が「不満」に見えるように加工しています。
他にも、数値の異なる2軸グラフによる比較や、目盛の歪んだグラフなどもあったりします。
通常、データを用いた資料を提示するのは、「相手を納得させたい」「同意を得たい」といったような目的があります。そのため、作成者の意図に沿ったデータはより目立つように、意図に沿わないデータは目立たないようにされがちです。注意深く見れば騙されないというのはもっともですが、商談やプレゼンの場で相手から資料を提供され、説明を聞きながら気づくというのは、実は容易ではありません。このような手法は、マスメディア等でも使用している事例があります。どの手法にも言えることですが、あえて一手間加えている点は共通しています。情報の受け手が正しい判断をするためには、なぜ「一手間」加えたのかを推察することでミスリードを回避する、そんな注意深さが必要なのかもしれません。
(木津川)
■ トーショーは企業の“変化”を捉える定性情報をご提供
トーショーでは、与信管理に欠かせない「定性情報」を収集・提供しています。抜群の情報収集力と長年にわたって蓄積されたデータベースから、お客様の与信管理ニーズに応じた配信形式でご提案いたします。
■ 財務分析から定性的な情報まで、トーショーの企業信用調査で情報収集を
企業信用調査もトーショーにお任せください。お客様の指定事項をカバーするオーダーメイド調査により、数多くのお客様から高い評価をいただいています。