与信管理とは

与信管理とは

決算書の分析(入門編)

決算書についての学習を始めた人の悩みで最も多いのが、「貸借対照表や損益計算書の構造については理解したが、果たしてそれを与信管理上どう使うのかが漠然としてその先へ進めない」ということのようです。

こういう悩みを抱えた人が次に習う事が、「総資本回転率」や「棚卸資産回転率」など電卓をはじいて一生懸命計算することなのですが、そうやって出した数字を個々に理想的な指標とつき合わせようとすると、やはり漠然として決算書を理解できたのか、できないのかがわからなくなります。

入門の段階でいきなりこうした定量分析指標を求める学習で決算書をすんなりと理解するのは、なかなか難しいことのようです。

ここでは、貸借対照表(以下、BS)と損益計算書(以下、PL)の概要や用語については理解しているものの、そこから先のステップへと進めたい人を対象に、簡単な決算書の見方についてご紹介します。目標は貸借対照表と損益計算書を読んで、企業が倒産しそうかどうかについて、大まかな判断を下せるようになることです。以下にいくつかの項目を出しますが、いずれの場合も判断のポイントは、払うお金が足りそうなのか、どうか。足りなくなった場合、企業は倒産します。

電卓いらずの4つのポイント

1.債務超過は「理論上の」倒産

どこを見るよりも早く、状態の悪い企業である事が一発で判断できる方法があります。BSの純資産の部に注目してください。ここがマイナスになっていたら、債務超過です。ここがマイナスであるということは、全て借金による経営ということで、非常に安定性に欠けます。理論上の倒産状態です。債務超過になってしまったら、銀行で新規借入れをすることはまずできなくなります。

2.運転資金とは

次に注目するのは、流動資産と流動負債のバランスです。流動資産が流動負債よりも多ければ、支払能力はまずまずと考えられます。しかし、ここではもう少し突っ込んで見てみます。流動資産の中でも特に現金化しやすい現預金・売掛金・受取手形の合計を「当座資産」、買掛金・支払手形・未払金の合計を「当座負債」と言いますが、今度はこれら当座資産と当座負債を比べてみましょう。どちらが多いでしょうか。当座資産が多ければ、資金繰りに関してはまずまずと考えてよいでしょう。当座資産の方が少ない場合、この会社は日常的に忙しい資金繰りの会社と考えられます。こういう会社では借入金(特に短期借入金や手形割引)で運転資金を確保する必要があります。

「当座負債 ?(当座資産+棚卸資産)」の値が必要とする最低限の運転資金の目安となります。十分な運転資金を短期借入金で借りてくる事ができているなら、まずはよしとすることができます。運転資金は企業が常時必要とする資金ですから、銀行の方も恒常的に借り換えに応じるのが普通です。しかし、企業としての安全性が低下して来ますと、借り換えに応じなくなることも考えられます。最終的には銀行の判断次第ではありますが、純資産比率が20%を下回るような企業では運転資金の借り換え交渉がスムーズに行かなくなる危険はかなり高いと言ってよいでしょう。

3.短期借入金と長期借入金

企業が銀行から借入れをする場合、使用用途は大きく二つに分けられます。
ひとつには、運転資金。もうひとつは、設備投資(固定資産)に必要な資金です。ここでは、固定資産の中でも中心的な存在である償却資産(構造物・機械・車輌・工具など)について述べます。

運転資金は基本的には短期借入金、設備投資は長期借入金でまかなうのが通常の借入金のあり方です。どうしてそうなるのかと言いますと、運転資金は企業の営業活動に恒常的に必要とする資金ですから、短期で借りても借り換えに応じてもらって「借りっぱなし」の状態になる事が普通であるからです。

では、なぜ設備投資(固定資産)は長期借入金でまかなうことになるのでしょうか。固定資産は使用期間が長いため一定のルールに従い、数年にわたって徐々に資産価額を減少させることになります。これを減価償却といいます。減った価値の分だけその年に費用として計上する事ができるのです。これを減価償却費といいます。たとえば、耐用年数が5年間の固定資産を短期借入で購入したとしても、費用として認めてもらえるのが購入価格の5分の1でしかないのです。一年以内に短期借入金を返し終わった時、のこりの5分の4が資金繰りを圧迫することになります。ですから、固定資産を購入するときには購入価格と同額を耐用年数にあわせて長期借入金で購入するのが理想です。こうすれば、資金繰りを圧迫することなく、段階的に借入を返済する事ができるようになるのです。こういう理想的な借入の仕方ができているならば、流動資産と流動負債、そして固定資産と固定負債はバランスがとれて極端にどちらかが多かったり少なかったりしないようになります。これらのバランスがとれていない(負債が偏って多くなっている)企業は、資金繰りの面で安定性に欠けると考えてよいでしょう。

4.長期借入金の返済能力

今度はPLの税引後当期利益に着目します。「税引前当期利益」と「減価償却費」の合計を償却前利益と言います。これは、借入金返済能力の指標として使えるものです。先ほど説明したとおり、運転資金は銀行の態度さえ変わらなければ「借りっぱなし」にできますから、問題は長期借入金の返済と言うことになります。

年間に返済する目安として、長期借入金の残高を10で割った額を使います。これは長期借入金の平均返済年数が10年である事が理由です。

償却前利益と年間推定返済額を比べてみて償却前利益が少ないようならば、返済能力に問題があるとみてよいでしょう。

まとめをいたしますと、2.に挙げた短期の繰り回しの指標で引っかかり、なおかつ3.に挙げた資産・負債のバランスが悪く、4.に挙げた長期借入金の返済能力に疑問点がつけられ、しかも純資産比率が20%に満たないような企業の場合、かなり安定性に欠け、倒産の危険は高いと言ってよいでしょう。

まとめ:決算書理解の4ポイント

  • ① 債務超過かどうか
  • ② 運転資金が足りているかどうか
  • ③ 短期借入金と長期借入金のバランス
  • ④ 長期借入金の返済能力

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