与信管理とは

与信管理とは

与信限度額の設定方法

与信限度額の設定を行う際に望ましいのは、格付けなどによって判定したリスクに応じて増減させることです。これをしないことには、取引先の倒産リスクが高まっても、取引額を変更しようという意見が社内の中で通りにくくなりがちです。徐々に高まるリスクに応じて、取引額も徐々に下げて行けば大きな焦付きを避ける事ができます。これとは逆に、非常に危険な状態になってから高額の取引を一挙に縮小・撤退するのは困難を極めますし、悪くすれば撤退が間に合わず、焦付くことになります。ここでは、格付けに応じた与信限度額設定方法をご紹介してまいります。

純資産・売上債権・仕入債務から作る3つのパターン

その① 自社純資産を基準にした設定

自社純資産 × 一定割合 × 格付けによるウエイト

この方法は、仮に焦付きが発生した場合でも、自社純資産の内、一定の割合までであれば焦付きに耐えうるという考え方です。
例えば、自社純資産が4億円である場合、その10%までなら耐えうるということであれば、1社に対して許容される債権額は、4億円×10%=4千万円 ということになります。そこから、取引先の信用度を反映させるため、格付けに応じた加減を行います。以下の表は、格付けによるウエイト配分の一例です。ウエイトが高すぎると撤退するのに困難を伴います。

ランク ウエイト
A 1.7倍
B 1.3倍
C 1.0倍
D 0.7倍
E 0.5倍

ここで、仮に取引先がD格である場合、限度額は4億円 × 10% × 0.7倍 = 2.8千万円となります。

その② 自社売上債権を基準にした設定

自社売上債権 × 一定割合 × 格付けによるウエイト

この方法は、1社に対する売上債権に上限を設けることで、リスクを減殺しようという考え方です。

例えば、自社の売上債権総額が3億円だった場合に、1社に対して許容する一定割合を10%と設定したならば、許容額は3億円×10%=3千万円 ということになります。その許容額に取引先の信用度を反映させるため、格付けに応じた加減を行います。

これにより、仮に取引先がD格である場合、限度額は 3億円 × 10% × 0.7倍 = 2.1千万円 となります。

その③ 取引先の仕入債務を基準にした設定

(推定)仕入債務 × 一定割合 × 格付けによるウエイト

この方法は、取引先にとって自社の存在が大きくなりすぎることによるリスクを減殺するため、取引先の(推定)仕入債務の内、一定割合までしか取引をしないという考え方です。

取引先の決算書が入手できない場合でも、売上高さえ分かれば、あとは売上債権の業界平均値と、売上原価の業界平均値をつかって、仕入債務のおおよその値を出す事ができます。

例えば、取引先の仕入債務の推定値が5億円だった場合に、1社に対して許容する一定割合を15%と設定したならば、5億円×15%=7.5千万円ということになります。その許容額に取引先の信用度を反映させるため、格付けに応じた加減を行います。

これにより、仮に取引先がD格である場合、限度額は 5億円 × 15% × 0.7倍 = 5.25千万円となります。

以上、三つの与信限度額設定方法を紹介しましたが、これらの限度額を複合的に扱いたい場合は、三つのうち最も与信限度の低いものを採用する、というやり方があります。これによって、取引先を多面的に考慮した与信限度額の設定が可能になります。

まとめ

  • 純資産基準・・・自社純資産×一定割合×格付けによるウエイト
  • 自社売上債権基準・・・自社売上債権×一定割合×格付けによるウエイト
  • 仕入債務基準・・・取引先の(推定)仕入債務×一定割合×格付けによるウエイト

複数の与信限度設定方法を使う場合、そのうち最も額の小さい値を採用します。

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